めまい
- 良性発作性頭位めまい症
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- 耳の奥には三半規管という体のバランスをとる器官があり、その根っこにある耳石という意思が傾くことにより体の位置間隔が感じることができます。この病気はその耳石がある一定量の塊として何らかの理由でずれてしまい、頭をある一定の位置に動かすと回転するようなめまい感や嘔気を起こしてしまうというものです。比較的中年以降の女性に多く、女性ホルモンとの関連も示唆されています。眼振という目の揺れを診察することでどこに耳石がずれたかを推測し、個別に治療方法を検討します。基本的には症状が治るまでは薬を使って症状を抑えながら、石をもとの位置に戻す、もしくは塊となった石をばらすためのリハビリテーションを行うことで改善が早まります。
BPPVには型がいくつかあり、それぞれに合わせた運動療法が必要です。
半規管型:
後半規管型⇒Eply法、Semont法
水平半規管型⇒Gufoni法、Lempert法、Half-Roll法
クプラ型⇒ Gufoni法、Brandt-Daroff法、Semont法、Headtilt-Hopping法
院長より患者様に適したリハビリテーションを指導いたします。
- 耳の奥には三半規管という体のバランスをとる器官があり、その根っこにある耳石という意思が傾くことにより体の位置間隔が感じることができます。この病気はその耳石がある一定量の塊として何らかの理由でずれてしまい、頭をある一定の位置に動かすと回転するようなめまい感や嘔気を起こしてしまうというものです。比較的中年以降の女性に多く、女性ホルモンとの関連も示唆されています。眼振という目の揺れを診察することでどこに耳石がずれたかを推測し、個別に治療方法を検討します。基本的には症状が治るまでは薬を使って症状を抑えながら、石をもとの位置に戻す、もしくは塊となった石をばらすためのリハビリテーションを行うことで改善が早まります。
- メニエール病
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- 疲労やストレスが引き金となり、めまい、ふらつき、耳鳴、難聴などの症状を反復する病気で、比較的働き盛りの方、特に中年の女性に多い病気です。成因は不明ですが、「内リンパ水腫」という内耳の水膨れが原因となります。ストレスや気圧の変化に影響を受けやすいという特徴もあります。症状の経過と聴力検査である程度の診断が可能であります。現在では造影MRIを特殊な撮影法で行うことでより確定診断に近づくことができます。治療は生活指導(睡眠衛生指導、有酸素運動、心理的なカウンセリング等)を第1とし、薬を併用することが基本となります。ここまでで8割程度の方が改善するといわれていますが、症状の改善が乏しい場合は、外圧の変化の影響を防ぐため、鼓膜チューブ留置術や中耳加圧療法を検討します。それでも改善が乏しい場合は内リンパ嚢開放術、鼓室内ステロイド注入療法、前庭神経切断術などのより侵襲的な治療を検討します。
当院では、2019年に保険適応となった中耳加圧療法も施行可能です。
中耳加圧療法は、強弱をつけた圧力(圧波)を耳の奥に送り、内耳に貯まったリンパ液を押し出します。
クリニックより器械をレンタルし、1日2回、3分程度施行いただく形となります。月に1回診察を受けていただき、状態を確認いたします。
メニエール病確定診断されている方で、生活指導や薬物療法で症状が落ち着かず、手術を検討しなければならないような患者様に適応となります。
第一医科株式会社の非侵襲中耳加圧装置を使用し、管理料として3割負担の患者様で月額6000円程度掛かります。
- 疲労やストレスが引き金となり、めまい、ふらつき、耳鳴、難聴などの症状を反復する病気で、比較的働き盛りの方、特に中年の女性に多い病気です。成因は不明ですが、「内リンパ水腫」という内耳の水膨れが原因となります。ストレスや気圧の変化に影響を受けやすいという特徴もあります。症状の経過と聴力検査である程度の診断が可能であります。現在では造影MRIを特殊な撮影法で行うことでより確定診断に近づくことができます。治療は生活指導(睡眠衛生指導、有酸素運動、心理的なカウンセリング等)を第1とし、薬を併用することが基本となります。ここまでで8割程度の方が改善するといわれていますが、症状の改善が乏しい場合は、外圧の変化の影響を防ぐため、鼓膜チューブ留置術や中耳加圧療法を検討します。それでも改善が乏しい場合は内リンパ嚢開放術、鼓室内ステロイド注入療法、前庭神経切断術などのより侵襲的な治療を検討します。
- 前庭神経炎
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- 耳の奥にあり体のバランスをとっている三半規管と脳をつなぐ神経を前庭神経といいますが、その前庭神経がウイルスの感染等の原因で炎症を起こすことにより、片側の三半規管の働きが落ち、左右のバランスを崩してめまいを起こしてしまう病気です。症状が激しいことが特徴で2~3日は起き上がれなくなることが多く、メニエール病のように耳鳴、難聴などの耳症状を伴わないのが特徴です。治療にはひとまずは安静の上、めまい止め、吐き気止めを使用し、後遺症予防のためステロイド投与(諸説あり)を検討したり、ある程度症状が落ち着いてからはリハビリテーションを行います。
- 加齢性めまい
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- 年齢を重ねることにより、三半規管などの前庭機能も徐々に衰えます。 ほかの病気では説明のできないめまいをお持ちの60歳以上の方で、少なくとも3か月上バランスがうまく取れない、歩きづらい、ふらつきやすい、繰り返し転倒をする方の中に、検査により一般の方よりも前庭機能が低下されている方がいらっしゃいます。リハビリテーションを行うことで、バランス機能の改善を目指します。
- 前庭型片頭痛
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- 原因は三叉神経の作用など諸説ありますが、片頭痛に伴いめまいを起こす病気です。少なくとも頭痛がした場合に2回に1度はめまいを伴うことが基準となります。当然ながら片頭痛の診断が必須となりますので、脳神経内科での診察もお勧めする場合があります。メニエール病との鑑別が難しく、片頭痛の薬を試すなどして診断をつける場合があります。治療は基本的には片頭痛の治療となる生活指導、薬を用います。
- 小児良性発作性めまい
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- 小児期にみられる繰り返すめまいのうち、難聴を伴わず、濃厚な片頭痛の家族歴を認めるものをいいます。音や光への過敏性や頭部運動による症状の増悪があります。乗り物酔いしやすい体質や、チーズ・チョコレートなどの摂食による症状の誘発、めまい後の眠気を訴えることもあります。これらの症状は片頭痛患者におけるものと類似しており、患児が成長とともにしばしば片頭痛を起こすようになることも併せて、本疾患は片頭痛関連疾患として位置づけられています。治療は、発症年齢が低く、まためまいの予後は良好であることから、軽症例、とくに幼少児に対しては保存的に経過観察が基本方針となります。改善が乏しい場合は薬を用いた治療や心理的アプローチを検討します。
- 心因性めまい
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- 不安障害やうつ病などの精神疾患では、症状の一つとしてめまいを自覚することがあります。それらの病気が耳鼻科のめまい疾患の症状を悪化させる場合も含まれます。耳や脳には検査でも明らかな異常は認めません。
治療は生活指導が基本ですが、それでも改善しない場合は、抗精神病薬を含めた薬の使用が必要となってくる場合があります。そのため、重症度次第で心療内科や精神科での診察依頼も検討します。
- 不安障害やうつ病などの精神疾患では、症状の一つとしてめまいを自覚することがあります。それらの病気が耳鼻科のめまい疾患の症状を悪化させる場合も含まれます。耳や脳には検査でも明らかな異常は認めません。
- PPPD
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- 近年定義された疾患です。何らかのめまい疾患を罹患した後に、3か月以上ほぼ毎日ふらつきが持続します。
加齢性めまいと比べるとやや若年に多く、後遺症としてだけでは説明がつかず、立つときや体動や視覚からの刺激により症状が悪化するのが特徴です。現在、様々な治療などが研究されていますが、抗うつ薬や行動認知療法、リハビリテーションが効果があるとされています。
- 近年定義された疾患です。何らかのめまい疾患を罹患した後に、3か月以上ほぼ毎日ふらつきが持続します。
- 椎骨脳底動脈循環不全
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- 体のバランス感覚を支配する小脳や、耳を支配する椎骨脳底動脈の血液の巡りが悪いことによってめまいを起こしてしまう病気です。めまい症状以外の神経症状(ろれつが回りにくい、唇がしびれる、ものが二重にみえる)が起こる場合はこの病気を疑う必要があります。持病に高血圧、高脂血症、糖尿病があったり、喫煙量が多い人に起こりやすい特徴があります。
- 頸性めまい
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- 頸椎(首の骨)の中を走行し、内耳へ血液を供給する椎骨動脈が、首をひねることにより狭くなり、内耳への血液が不足して起こる病気です。血管が細くなってしまった原因を調べる必要がありますが、もともと細い場合などは首をひねらないようにするなど、生活スタイルに気をつけることが治療になります。
- 起立性低血圧
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- 立ち上がった時に脳へいく血液が足りなくなり、立ちくらみを起こしてしまう病気です。原因としては、神経に関係する病気が考えられる他、高血圧に対する薬を飲み過ぎている場合や、前立腺肥大の薬、精神安定剤などで発症する場合があり、その場合内服薬の調節で症状が改善することが多いです。低血圧が原因でこの病気になってしまう場合は、低血圧に対する治療が必要になります。思春期にこの病気のなってしまった場合は成長とともに改善する場合が多いです。血圧を計る検査で病気の予測を行うことができます。
- 脳脊髄液減少症
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- 脳や脊髄の周囲を満たしている脳脊髄液が減ることにより、起き上がる姿勢を取ったとき、立ち上がったときなどにめまい、ふらつき、頭痛を起こしてしまう病気です。頭や体をぶつけたり、出産などを契機に発症する場合があります。眼がぼやける、手足がしびれるなどの神経症状が出ることもあります。重心動揺計検査で異常値を示すことでこの病気が疑われます。安静により完全に治ることもありますが、脊髄への注射治療など、特別な治療法を必要とすることもあります。
前庭リハビリテーションの意義
小脳は、無意識に考えないでする動きを司ります。
子供のころに自転車の乗り方を覚えると忘れないのも一つ。
小脳にはバランスの左右差を改善する中枢代償 という働きがあります。
小脳を飛行機のパイロット、左右の三半規管をプロペラであるとすると、パイロットさえ鍛えてあげれば、片肺飛行となっても立て直すことができます。様々な反射を刺激することによって、弱った機能を助けるのです。
急性期のめまい患者さんも 、薬物治療を受けていただいたうえで、許可が出たらなるべく早くリハビリテーションを開始しましょう
前庭リハビリテーションの目的
- 姿勢不安定性の減少
- 機能的バランス
- 動作時のバランス機能の向上
- 頭部運動時の資格のブレの減少
- 身体的な状態と身体活動レベルの向上
- 正常に近い社会的活動の参加への復帰
- 社会的な孤立感の減少
リハビリテーションは、以下の要素に分かれています。
- 前庭適応 adaptation
- 慣れ habituation
- 他の感覚での代償 substitution
- 姿勢安定性を改善させるトレーニング
それぞれを組み合わせることでリハビリテーションの効果を最大限引き出します。
リハビリテーションされる患者様へ
めまい・ふらつきといっても、様々な原因が考えられます。
それぞれの運動で上手くいかない、もしくはめまいを感じる運動が今必要としている運動です。
意欲的に、ただ個々のペースで、諦めずにリハビリテーションを毎日続けることが重要です!
不明な点がございましたら、担当医にたずねていただければと思います。一緒にリハビリテーションを成功させましょう!