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アレルギー科

ALLERGOLOGY

アレルギー科

基本的なアレルギー性鼻炎、花粉症治療とともに、最近トピックとなっている“舌下免疫療法”も行っております。
また、エピペン®の処方、ゾレア®皮下注も対応可能です。
ゾレア®皮下注につきましては、2020年度は計6症例、2021年度は計13症例施行いたしました。
皆様副作用も特になく、効果に関してもご好評でした。

イムノキャップラピッド アレルゲン8

当クリニックでは、イムノキャップラピッド アレルゲン8を使用したアレルギー検査が可能です。
指先に針を刺して、わずかな血液で検査ができ、スギ、ダニなど8種類の抗原について20分ほどで結果が判定できます。
特に採血を嫌がるお子様には負担が少なくお勧めです。
ただし、一般に行われているアレルギー採血検査(RAST)より精度が落ちますので、偽陰性(実際は陽性なのに陰性とでること)となる可能性があります。
ご興味のある方は、1度ご相談ください。




ゾレア®皮下注

従来、気管支喘息、蕁麻疹に対して使用されていたゾレア®皮下注が2019年12月にスギ花粉症に保険適応が通り、当院では2020年度から投与開始し、一昨年度23例、昨年度32例の投与いただいた患者様からは特に副作用もなく、効能についても概ねご好評いただきました。 引き続き、今年度も随時受付しております。
ただし、今回初めての方に関しては、当院で1週間以上投薬した後の採血結果が必要となるため複数回受診が必要であり、投与まで最短3週間程度必要です。(他院での投薬は無効です。)
また、以下のように適応となる患者のみ投与可能となりますのでご留意ください。
昨年度投与された方は、再度採血していただく必要性はございません。


妊産婦、長期ステロイド加療されている方等を除き、
12歳以上(体重20~150㎏)の方で、一般的なアレルギー薬では症状が落ち着かず、採血検査にて一定範囲内の血清中総IgE濃度であり、スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上であること等の条件を満たした重症の方に処方可能となります。
投与量については、体重と血清中総IgE濃度により決定し、投与量によって費用が変動いたします。
(3割負担で、4444円~69953円/月となります。)


非常に高額な薬剤ではありますが、当クリニックにおいても、処方可能となっております。
投与期間はスギ花粉飛散時期2~5月の3か月間程度が目安となります。
投与回数は基本3か月分(1か月に1回の用量の方は3回、2週間に1回の用量の方は6回)までとなっており、1回から投与が可能です。
今シーズンはスギ花粉の飛散量が例年通り~やや多めの見込みとなっておりますが、1月下旬~2月上旬からの飛散の予測が出ております。
仕事や受験、時節柄咳症状を含めたアレルギー症状を止めたい等、興味のある方は気軽にご相談ください。
※尚、あくまで対症治療であり、根治治療ではございません。

ゾレアの詳細は、ゾレアによる治療を受ける患者さんとそのご家族へをご覧ください。

口腔アレルギー症候群
oral allegy syndrome:OAS

口腔アレルギー症候群は特定の食物の接種に伴い、その直後から口腔咽頭症状(腫れ、かゆみ、ヒリヒリ感など)が出現する疾患です。

OASはその発祥様式から食物アレルギーの一種と考えられています。感作の成立する仕組みの違いからクラス1とクラス2に分類されます。クラス2は監査光源(花粉、ラテックスなど)と症状を誘発する抗原(果物、野菜など)が異なる食物アレルギー です。クラス2の原因抗原は加熱や消化液に対して不安定で、抗原性が消失するものが多いです。そのため原因食物の中には加熱調理すると接種可能となるものが存在します。


クラス1
  • アトピー性皮膚炎に合併する食物アレルギー(乳児期)
  • 原因抗原が容易に予測できない場合などは、アレルギー専門の医師に紹介することが必要です。
  • 即時型食物アレルギー(乳児期~成人期)

クラス2
  • 口腔アレルギー症候群(OAS)
  • 花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergey symdrome:PFAS)
  • ラテックス‐フルーツ症候群

花粉-食物アレルギー症候群
Pollen-Food Allegy ymdrome:PFAS
oral allegy syndrome:OAS


  • 花粉症患者が、野菜や果物を食べた時に唇・口・のどなどにイガイガ感やかゆみ・腫れなどアレルギー症状を引き起こす、口腔アレルギー症候群(OAS)のことです。
  • PFASは、花粉症の原因物質と似た物質が果物などの食物にに含まれているから起こるといわれています。PFASは生の果物で症状が出ることがありますが、加熱で加工されると(ジャムやコンポートなど)、症状が出なくなるのも特徴です。

花粉とPFASを生じる主な果物や野菜の例
  • ➀【シラカンバ、ハンノキ】
     リンゴ、西洋梨、サクランボ、杏、アーモンド、ジャガイモ、キウイ、マンゴーなど
    ➁【スギ】
     トマトなど
    ➂【オオアワガエリ】
     メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、キウイ、オレンジ、ピーナッツなど
    ➃【ヨモギ】
     セロリ、ニンジン、マンゴーなど
    ⑤【ブタクサ】
     メロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニ、バナナなど
    ⑥【プラタナス】
     ヘーゼルナッツ、リンゴ、レタス、とうもろこし、ピーナッツ、ひよこ豆など

    ※ラテックス(ゴム手袋やゴム風船に含有する成分)のアレルギーがある人
    キウイ、バナナ、アボカド、マンゴーなどに注意が必要


食事ではどんなことに気を付ければよいですか?

アレルギーを起こしやすい食品を避けるだけでなく、炎症物質である「ヒスタミン」を体内で生成しにくくするようにしましょう。

  • ➀ヒスタミンは高脂肪の食事で生成されるので、油脂の多い肉や揚げ物、マーガリン、マヨネーズ  など食品やアルコールを避けましょう。
  • ➁青魚、アーモンドやナッツ類を摂るようにしましょう。ヒスタミンの生成を抑え、アレルギー症  状を緩和してくれます。ただし、摂りすぎると高脂肪になるので気を付けましょう。
  • ➂脂溶性ビタミンであるビタミンA,D,E,Kは皮膚を正常に保つので、油脂と一緒に摂るようにしま  しょう。その他はうなぎ、きのこ、ナッツ、納豆などの摂取も効果的です。

果物・野菜を食べて口の中で違和感があるなど何かしらの症状がある場合は、自己判断ではなく、早めに医療機関に受診しましょう。


近年食物アレルギーの患者数は経時的に増加しております。


食物アレルギーとは、免疫の過剰な働きによって、食物に反応し、体に不都合な症状が誘発されることです。



食物アレルギーの症状は、皮膚、粘膜、呼吸器、消化器などに出現します。

鶏卵、牛乳、小麦が、即時型食物アレルギーの原因の約73%を占めます。

食物アレルギーは、問診や血液検査、皮膚試験による特異的IgE抗体などの関与を確認することで診断します。


原因抗原が容易に予測できない場合などは
  • 食物アレルギーとほかの疾患や病態を正しく鑑別することが重要です。
  • 原因抗原が容易に予測できない場合などは、アレルギー専門の医師に紹介することが必要です。
  • アレルギー反応により全身にさまざまな症状が起こる過敏反応“アナフィラキシー”を起こす可能性があります。

アナフィラキシーの原因として、食物が35%を占めています。

食物摂取後からアナフィラキシー発現までの時間は、平均22分でした。

食物アレルギーによるアナフィラキシー反応において、初発、誤食ともに呼吸器症状やショック症状の発現がみられました。

日本では、アナフィラキシーによる死亡が、毎年40~70例報告されています。

アナフィラキシー発現から心停止までの時間は、薬剤では5分、蜂毒では15分、食物では30分と報告されています。


生命を脅かす危険性の高いアナフィラキシーは、初期段階での的確な臨床判断と迅速な対応が求められます。

アドレナリン自己注射薬の注射のタイミングは、過去のアナフィラキシー発現の有無や、初期症状を参考にします。

アドレナリン自己注射薬は、アナフィラキシー重症度の「グレード2で使用を考慮」し、「グレード3は速やかに使用」する必要があります。

エピペン®が処方されている患者でアナフィラキシーショックを疑う場合、下記の症状が一つでもあれば使用すべきである。

エピペン®は、アナフィラキシー発現時の初期治療補助薬として、82.2%の使用例で症状の改善が認められました。

アナフィラキシーを発症した小学生~高校生が43,621人に対し、エピペン®を保持している小学生~高校生は23,865人でした。

即時型食物アレルギーの発現頻度は、0歳が最も多く、加齢に伴い漸減します。